6次化の難しさ
当園のもち麦は、2016年から栽培をはじめ今年が3期目になります。
栽培開始当初は、もち麦が売れるのか、うまく栽培できるのか、いろいろと不安だらけでしたが、たくさんの方々にアドバイスをいただき、いい機会を得ることもでき、現在に至っています。
もち麦をご存知ない方にとっては、「もち麦ってなに?」という疑問から入ります。もち麦とは、いったい何であるかを、適切に簡潔に答えるのは意外と難しいものです。
「麦」と聞いただけで、おいしくなさそうなイメージを持たれている方も少なくありませんが、一度食べていただければわかると思います。これまで食べてきた、いわゆる押し麦とは全く異なるものです。麦特有のにおいもなく、食感がしっかりあり、白米ともよくなじみます。飽きの来ないシンプルな味わいで、様々な料理に加えて、毎日食べられます。
販路や、価格、パンフレットやパッケージデザイン、袋の材質や大きさなど、売る側に立ってみて初めて知る「売る難しさ」を感じました。自分たちの思いを伝えたいが、押し売りになってはいけない。お客様の立場になって商品を考案しなければならないが、手に取りやすい価格・規格ではなければならない。どれも、素人の私たちには難しいことばかりで、商工会の方や県内ですでに農の六次化で成功されている方々にお話しを伺いにいくなどしました。
たくさんの助けがあって、もち麦を販売することができています。思っていた以上に反響があり、気に入ってくださるお客様がいたからこそ、今年も直売所に出すことができています。感謝の思いでいっぱいです。
でも、現状に甘んじて先を見据えることを忘れてはいけません。
いま売れているからいいじゃないか、という声も時に聞きますが、それがいつまで続くかなんて誰にも予測できません。
現状維持のための努力も、もちろんのこと、さらによいものを、求められているものを商品として出していけるようにしなければなりません。
私たちのような、小さな農家は、できることの範囲が狭いかもしれません。でも、小さな農家だからこそできることも、必ずあります。
6次化しない農家はつぶれていく。
そんな言葉を先日耳にしました。農作物を作って売るだけでは生きていけない時代は、すでにきているんだと思い、自ら価格設定をし、直接お客さんに対応できる形をこれからも考えていきたいと思います。
6次化、いろいろ難しいですが、やってみると楽しいこともたくさんあります。
気づくことも、考えることもあります。
自分の性格としては、作物の栽培をしているほうが好きだと思っていましたが、最近では、直接お客さんに会っていろんな言葉をもらえることが嬉しく思うことも多く、ヒトと出会う機会を増やせるのはいいことじゃないかな、と思っています。
0コメント